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【加越旅行】雪と聖地の北陸紀行(2日目前半)

 この記事の続きです。

 12月26日。前日からの大寒波による影響はいかに。富山県南砺市から開始です。

城端線沿いの風情

雪の福光

 前日は降るばかりで全く積雪の見られなかった砺波平野。朝06:30に目を覚ましカーテンを開けると……

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 一晩でこんなにも積もっていました。「大」寒波といえでもこれくらいは想定の範疇なのか、幸い交通機関の運休は無いとのこと。その確認の下、安心して落ち着いて時間をかけて朝食をいただきました。
 さて、この後は福光駅から城端線下りに乗るのですが、宿を発った時点で発車まで10分しかありません。雪深い道を夏靴で歩き、更に駅で切符も買う……。走っても転ばなかったことは不幸中の幸いです。

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それぞれ宿前、さくら橋西詰、さくら橋から小矢部川と平行に。川は多分落ちたら戻って来られない。

 急ぎさくら橋を渡り、南砺市役所を収鋲して信号を無視したい気持ちに駆られながらも福光駅に到着。駅は2面2線で跨線橋が駅の外についているタイプなので、プラットフォームを間違えたら一巻の終わりです。
 私は無事間違えたものの駅係員に止められ、汽車到着の30秒前にホームに着く程でした。余裕は持とうね!

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南砺市役所とその北に伸びる道路。

(福光07:49ー城端線ー07:58城端

越中の小京都・城端

 南砺市の政治的中心*1を発ち、9分乗って城端(じょうはな)駅に着きました。途中の越中山田駅での乗降は無く、利用者は私含めて4人でした。こんなんでも輸送密度2000を切っていないあたり、登校下校時には混雑するのでしょうね。

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切符、及び城端駅にて撮った汽車。

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城端駅。

 越中の小京都と呼ばれる城端は、城端別院善徳寺の寺内町として発達し、今なお古い町並みを残しています。
 国道304号線に沿って駅から市街地へ下ると、朝の雪と茶色の建物が互いを引き立てあっていて美しいんですね~。町民総出で雪すかし*2をしている中南下し、町の中心、善徳寺を目指しました。

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同じく市街東部。

 北陸銀行城端支店の交差点を右に曲がって見える大きな山門は県指定文化財です。
大雪のためか参拝者は誰もおらず、壮大な寺を独り占め。

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山門を遠くから。屋根下の木組みが精巧。

 開基から五百余年を経た真宗大谷派の大刹には無料で入場することができます。城端に行くなら、というより南砺に行くなら見ておくべき場所です。

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本堂を2枚の板で鋭角を形成して覆うのは、行く先々で目にすることになる。

 その後は土蔵4棟が立ち並ぶ今町通りを経て、写真を撮りつつ城端駅へと向かったのでした。次は井波(いなみ)を訪れます。

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期待の至り、井波町

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井波市街とその周辺の移動履歴。

城端から井波へ

 かつては石動から庄川町を結ぶ加越能鉄道加越線が井波町を貫通していましたが、廃止されて久しいのでバスで向かいます。
 定刻より8分ほど遅れたバスには誰も乗っておらず、一人暖房を享受していました。
 旧東礪波郡井口(いのくち)村も通過して、井波に到着。観光案内所で傘を借りて、いざ街歩きです。
城端駅前09:21ーバス南砺金沢線ー09:45交通広場)

木彫りの里・井波

 まず歩いたのは八日町通り。彫刻工房が軒を連ねる他、富山銀行の支店や喫茶店が並ぶ町の中心を成します。ここでも建物の黒や茶と天地の白のコントラストが非常に優れていました。再び訪れたい筆頭です。

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八日町通り。柱や表札、標識等が木造。

巡礼

 さて、旅行の本題こと聖地巡礼(舞台探訪)。今回は、アニメ『ゆるゆり なちゅやちゅみ!』の舞台である閑乗寺公園及びその周辺に出向きました。

バス停から閑乗寺公園

 閑乗寺口のバス停から閑乗寺公園まで山道を登ります。

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閑乗寺口バス停(1・2枚目)と道中(3枚目)のカット。いずれも0:28:44付近。

 道中迷って遠回りをしたためごらく部4人が辿った道とは同じでないでしょうが、麓の道の駅で収斂します。

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 麓に到着。ここから登るわけですが、舗装されているとはいえ雪の積もった山道を上がるのは一苦労。轍を歩く都合上、車の運転手と目を合わせることが多いのですが、多くの場合奇異の目で見られました*3

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分岐点。南砺市から砺波市へ入った。4枚目の「クマとの遭遇を少なくすることが大切です」という看板は0:28:45。

閑乗寺公園下側

 前日に金沢駅にて雪国仕様の長靴を誂える予定でしたがギリギリの接続のおかげで調達できなかったため、関東仕様の夏靴で登りました。当然到着するころには濡れに濡れていたため、入口の坂を撮ってからテニスコート手前の建物の屋根下で休みます。

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櫻子「爆発はほどほどにね~」の坂。0:30:27。写真左手あたりに8人が立っていたと推測されるが、雪深く不明瞭。

 それから、帰りのタクシーを予約するため中腹の管理棟に立ち寄りました。受付のおじさんからタクシー会社の番号を入手した他、無謀な夏靴訪問者を放っておけなかったのかご厚意に甘え長靴を貸していただきました(ありがとうございました!)*4
 おじさんは私の訪問目的を一瞬で見抜き*5、更には声優さんらが訪れた時のサインもあるとの情報が……!
 残念ながら時間の関係から見ることは叶いませんでしたが、手早く管理棟周辺の聖地を巡ってから、いよいよ大展望の楽しめる丘を目指します。

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テント設営地(1枚目)とギッタンバッコン(2枚目,0:31:37)。アニメではギッタンバッコンの後ろが砂地(野球場)であったが、雪に埋もれている。
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3番地近くの水道(0:31:21等)。千歳とあかりが妄想について話した場所もここ?

 ちなみに公園は本来キャンプ場ですので、行った日には3,4組の家族連れが居ました。寒波と大雪の中ご苦労様です。

閑乗寺公園上側と平野の展望

 偶然にも入手できた長靴とともに快適に「見晴らしいい丘(京子談)」に登ります。登るには、どうも公園内部を突っ切る方法と外郭の舗装路を通る方法があるようですが、雪原を突っ切る勇気は無いので後者を選択しました*6

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道中。やはり転落したら戻ってこれなさそうな様相を呈している。

 その名を正式には「散居村展望広場」と呼ぶ砺波平野の眺望に優れた丘に到着。目的地中の目的地と言っても過言でないこの広場から見る景色は、作中、雄大なBGMとともに現れる大眺望の雰囲気もそのままに遠大で美しいものでした。

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散居村展望広場遠景。ここから東屋のあたりまで歩みを進めると……

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開けた視界から公園下側とその先の平野が望める。医王山の山影が何とかうっすらと見えるほどの天候であった。最高。本編0:56:35~0:57:58に当たる。私はふゆやちゅみ(?)に行ったため銀世界だが、なちゅやちゅみに行くと水田と点在する家屋が見られるだろう。
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ゆるみずを携えることで令和3年の訪問を裏付ける(1枚目)。2枚目は更に高い地点からの展望。作中の画角はこれに近い。

 さて、あとは下るだけですが、景色が良すぎるあまり思ったよりも時間がとられたため、バスを1本遅いものに変更しました。これを逃すと4時間後ですので気を引き締めて向かいます。

井波から砺波へ

井波御坊瑞泉寺

 麓の道の駅井波まで920円の課金をして移動した所で、お土産にと昆布餅*7とせんべい、そして干し柿を購入しました。この日の昼食は日没前後だったため、後に干し柿に命を救われることとなります。
 道の駅で荷物整理をしていると、なんと先ほど公園にて長靴を貸してくださったおじさんがいらっしゃるではありませんか! 話を聞くと昼食の為に毎日下りてくるとのこと。この後の予定を訊かれ瑞泉寺に行くことを告げると、その距離を歩くのは面倒だからと軽トラで送ってくださるとのこと……! この場を借りて重ねてお礼申し上げます。
 さて、ここ井波は「木彫りの里」ですからこの真宗の木造の寺に見られる装飾も細かく美しいわけです。

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瑞泉寺。入場料500円は安い。

30秒前にバス停着

 「瑞泉寺前」というバス停から乗るのが合理的ですが、半キロメートル程遡って閑乗寺口バス停から乗車します。これは作中の8人が、閑乗寺口→砺波駅前の区間でバスに乗車したためですね。もっとも、このこだわりのため発車間際にバス停に着き、更に場所が分からず地元の方に尋ねることとなったのですが。
(閑乗寺口13:17ーバス砺波総合病院経由小牧線*8ー13:36表町)

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加越能バスの車体(1枚目)と表町(2枚目)。

 表町バス停からは2,3分ほど歩き着いたのは砺波駅。聖地ではありますが、工事のためか面影はだいぶ薄れているように見受けられます。

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0:27:47にてごらく部4人が通った改札。

(砺波13:51ー城端線ー14:17高岡)

午後は氷見線沿線へ

 砺波駅からは城端線で高岡へ。アニメ3期の舞台であるこの街の本格的な散策は明日へと回し、足早に氷見日本海沿岸へと向かいます。

hashimots.hatenablog.com

*1:令和2年7月に全4庁舎が福光に統合されたので政治的中心の歴史は浅い。

*2:加賀越中の一部では雪かきをこのように呼ぶ。

*3:間違いなく車社会の人間が歩く距離/標高ではないと思われる。ごらく部は体力にあふれていた……?

*4:反省点は、必須品を必ず入手できる旅程を立てるべきこと。

*5:櫻子×サンリオのキーホルダーを付けていたことも要因かな?

*6:0:56:33より、おそらく8人は前者を選択したと思われる

*7:実は櫻子が京子・ちなつと追加買い出しに出かけた0:34:36で言及有。

*8:なお、作中のバスでは「小牧 高岡駅」との表示があった